仏華(仏花)は「舎衛国(しゃえいこく)の祇樹給孤独園(ぎじゅきっこどくえん)の城中で長者たちが集まり楽しむ中の一人に、波羅奈華(はらなけ)を採って鬘を作り、帰宅のその道中にお釈迦さまにお会いすることが出来ました。
仏足に礼拝し華を仏に捧げました。
帰りてまた樹に上り華を採りますとき、枝が折れて墜ちて死亡するところとなりました。
命終りて忉利天(とうりてん)の波羅奈華(はらなけ)で造られた宮殿に生まれかわりました。
帝釈天がこの人を見て、何れの処で福業(ふくごう)を修めてこの処に生まれたかを尋ねたところ、この人むかし仏に華を捧げました因縁を告げました。」とありますように、華の供養には種々ありますが、その一つに金箔づくりの蓮の“常華”が寺院の御宝前に供えられてあります。
その意味は「不染世間法如蓮華在水(世間の法に染まざること蓮華の水に在るが如し)」(悪い社会であっても悪に染まることのないように、あたかも蓮華が濁水泥土の中にあって美しい花を咲かす)と、私たちは困難、苦悩の多き社会にあっても、心清らかに蓮華のように、生きましょうとの願いが教えられています。
仏さまにお花を供えます意味は供華として三通りあります。
1)向上相(こうじょうそう) | 花の表を仏さまに向ける |
2)向中相(こうちゅうそう) | (四方相とも言う)花を八方に向ける |
3)向下相(こうげそう) | 花の背を仏さまに向ける |
宇多天皇が「向下相を用ゆべし」を仰せられてより、花をこちらに向けるようになりました。
花を供えますことは、仏さまを立派に飾る意味もあり、拝む人に信仰心を増進せしめる功徳があります。 清く生きる誓いでもあります。
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