ふだん皆さんは御本尊の前に座り、合掌し三大秘法の南無妙法蓮華経を唱えています。そこで今日はその御本尊についてお話したいと思います。
① 「法華経の題目を以て本尊とすべし。」(『本尊問答抄』定遺1573頁)
② 「伝教大師云く…出尊形(しゅっそんぎょう)仏なりと。」(『日女御前御返事』定遺1375頁)
③ 「此故に未曾有の大曼荼羅とは名付奉るなり…この御本尊…」(『日女御前御返事』定遺1375・1376頁)
日蓮大聖人は、本尊とは大曼荼羅のことであり、出尊形の仏のことであり題目のことであると仰せられています。御本尊は一つしかありませんから大曼荼羅と出尊形の仏と南無妙法蓮華経は同一だということです。
ところで御本尊の前では法華経方便品を読みますね。
④ 「唯仏与仏乃能究盡」(仏と仏との間で語り尽くされるもの)
⑤ 「諸法実相」(それが諸法実相である)
⑥ 「所謂諸法如是相~如是本末究竟等」(いわゆる十如是のことである)
この④⑤⑥は同じ意味のことをあらわしています。⑥は「如是」が10回出てくるので「十如是」と呼ばれるところです。どうぞ皆さんも十本の指で十如是を数えてみてください。数えたその指を合わせると諸法実相になります。つまり皆さんの合掌の姿は十如是であり諸法実相の姿だということです。
また日蓮大聖人は次のようにも仰せられています。
⑦ 「法華経の肝心は諸法実相ととかれて…」
(『種種御振舞御書』定遺971頁)
⑧ 「法華経の肝心たる南無妙法蓮華経の大白法…」
(『撰時抄』定遺1007頁)
⑨ 「法華経の肝心南無妙法蓮華経…」
(『曽谷入道殿御返事』定遺1409頁)
⑩ 「種・熟・脱の法門 法華経の肝心也」
(『秋元御書』定遺1731頁)
⑪ 「法華経の肝心たる題目…」
(『諌暁八幡抄』定遺1840頁)
諸法実相とは皆さんの合掌する姿でしたね。その諸法実相とは法華経の肝心であり、法華経の肝心とは南無妙法蓮華経のことであると仰せになっていますから合掌する皆さんは南無妙法蓮華経になっているということです。
その南無妙法蓮華経とは何であったかと申せば大曼荼羅であり出尊形の仏であり御本尊のことでした。つまり合掌し、三大秘法の南無妙法蓮華経を唱えるとき皆さんは出尊形の仏と成っているのです。
また御本尊の前では法華経の自我偈も読みますね。
日蓮大聖人は『法蓮鈔』(定遺949頁)のなかで
「自我偈の功徳は唯仏与仏乃能究盡なるべし。」
と仰せられています。
つまり、自我偈の功徳は唯仏与仏乃能究盡のなかに納まっているということです。
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