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「悩みのいろいろ」

記事:布教師 水野晴介

 仏教では悩みや苦しみは悟りの対極にあり、それを克服し、仏になることを目指していきます。一言で悩みといっても人によって大きさ、深さ、経験、出来事など様々な環境に左右されてその数は人の数だけあると言ってもよいでしょう。

 私たちが日常で経験する事柄でのストレスと言われるもののほとんどが、自己と他者によって生まれていると思います。ほんの些細なことでも、私ならこうするのになぜ違った行動をするのだろうとイライラを感じるような場面が日常の中にあふれています。

 この小さなイライラはストレスとなり、瞋りや愚痴として出てしまいます。このイライラですが、相手も同じような感情を抱いているかも知れません。わかったようでも自分自身と家族や親友であっても人格や信条、考え方、価値観は違います。私の常識は他者の常識とは全く違う。これが個性であり、最も大切にしていただきたい部分です。

 この世界に存在する全てのものには仏さまの心が存在します。どんなに貧しかろうが富んでいようが、どんな性格であろうと職業であっても、それぞれが全世界中の存在の一部として与えられた役割をこなし、社会や世界を構成する。誰もその存在意を否定することはできません。

 一人一人違う個性を探し進みましょう。自身の個性の発見は遅いかもしれませんし早いかもしれません。それも環境が良いかもしれなければ悪いかもしれません。未来のことは予想や予測はできても、なかなか思い通りに進むとは限りません。その中で自分だけでなく身近な家族や友人の輝く個性や役割、居場所を考えて受け入れてみましょう。一瞬一瞬の時間を大切に過ごしてください。一時間後、一日後、半年後、何が起こっているかなどわからないのですから。

 悩むことは決してマイナスなことではありません。悩むということは、そこに変化を受け容れる成長のチャンスが秘められていることでもあるのです。悩む自分も自分自身。自身の可能性を信じる生き方を、私は法華経の中から見つけました。多様な経験があってこそ人生です。皆さまが楽しい毎日を過ごされることを願います。

南無妙法蓮華経

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